いーむの日記

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「ラジオ深夜便・明日へのことば~父と兄に学んだこと~(目黒祐樹)」が面白い

3月26日(火)AM4:05放送分の「ラジオ深夜便」の「明日へのことば~父と兄に学んだこと~」が大変面白かった。(4/2(火)AM2:00まで聴き逃し配信中)

出演は俳優の目黒祐樹氏。父は剣豪スター近衛十四郎、兄は俳優の松方弘樹という芸能一家に生まれ、6歳で子役デビュー。嵐寛寿郎との共演というからすごい。何もわからないから「アラカン」と呼び周囲がハラハラしたとか、大きくなって再会した時に「大きうなったなぁ」と言ってもらった話など、まるで小説のようだ。

その他にも勝新太郎と父の共演、兄との喧嘩などのエピソードも面白いが、もっとも面白かったのが、母が亡くなった際に父・兄と一緒に3人でウィスキー5本を空けたという話。

酒量をさりげなくたしなめていた母がもういないからと自分が「お酒そのくらいにしてよ」と父に言ったところ「そんなことおまえに言われる筋合いはない!おまえみたいなもんは破門だ!」と言われた話。

「親子だと普通は勘当だと思うんですが……」「心のどこかで『さすが時代劇の役者だな』と」なんと半年も無視されていたそうだ。半年後に謝ったところ、何でもなかったように話してくれたとか。

私が感銘を受けたのが、話し方の巧みさだ。声の通り具合、テンポとリズム、滑舌の良さ。何度聞いても耳に心地よいのだ。内容がわかっていても何度も聞いてしまった。

それに加えて「~させていただいた」よりも「~してくださった」という表現や、最後「今日はどうもありがとうございました」と言われ「こちらこそ、お呼びいただいてありがとうございました」と返す、その日本語の美しさ。これは密かに真似したいと思った。

充実の40分だった。