いーむの日記

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盛岡の高校生の自転車通学をなめるな

玉出身の夫と話が噛み合わなかったわけ

最近自転車を購入した。自分の自転車を持つのは20年ぶりくらいである。
徒歩では行けないけど交通機関を使うのも面倒だな~と思う場所をあれこれ挙げては「◯◯行ってみたいな~」とか「△△くらいなら行けそうだな」とか言うたびに夫が「遠いんじゃない?」「えー無理でしょ」と反論してくるのがずっと気になっていた。

「なぜこのひとはそんなに反論してくるのか?」と。別に100キロ先まで行こうというんじゃない。せいぜい10キロ以下の場所なのに。

つらつら考えてある日ハッと思いついた。これは「自転車通学経験の差だ!」と。

私が盛岡で高校生をしていたのは90年代。いまから30年ほど前のことである。当時私は盛岡市のJR矢幅駅と岩手飯岡駅の間くらいの場所に住んでおり、徒歩圏内に駅はなく、バス停しかなかった。
通っていた高校は市内中心部で通学の手段といえばバスしかなかったのだが、3年間ずーっと自転車で通っていた。(冬期を除く)

最近距離計測してみたら約8キロ。当時の体感でいうと40分くらいだろうか。いま改めて地図を見ると「無理」の一言なのだが、当時は周りの高校生のメイン通学手段がみんな自転車だったので、なんとも思っていなかった。刷り込みって恐ろしい。

 

ここで冒頭の話に戻るが、おそらく首都圏の高校生の自転車通学ってこんな感じなんだと思う。
①自宅から最寄り駅
②下車駅から高校
この①か②で自転車を使うんじゃないだろうか。

しかし盛岡の高校生はこう。


自宅→学校(どんなに遠くてもすべて自転車。距離は度外視)

一時期住んでいたところが、ちょうど盛岡工業高校の生徒さんたちの通学路になっていたのだが、盛工のお兄ちゃんたちは冬でも自転車に乗っていてたまに滑っているのが見えた。めちゃくちゃ危ない。
いま調べたら盛岡工業岩手飯岡駅から徒歩54分ってあった。そりゃ自転車で行くよね。(もちろん学校までのバスは存在する)

首都圏の人にとっての自転車が「徒歩の代わりのちょっと楽な手段」だとすると、盛岡人にとっての自転車は「電車・バス・自転車」くらいの立派な交通手段なのだ。

こう考えると「自転車で行くことを想定している距離に対する認識の差」が冒頭の夫とのズレの原因だったのだなぁとしみじみ実感。
大人になる頃にはきっと盛岡でも地下鉄が通って、通学も楽になるだろう…という期待はもちろん叶っていない。

【補足】
本当は大雪地域でのチャリ通は無理なんだよ〜。電車も1時間に2本くらいだったりするし吹きっさらしのホームは本当に辛いし、まして冬のバスなんか『来ない・乗れない・進まない』だし、高校生が自転車に全振りするのもやむを得ないんだけど、交通機関がもうちょっとなんとかなればなぁ…