40代になりいよいよ東京での生活に行き詰まりを感じていた将司は、近ごろ頻繁に夢に出てくるようになった叔父の勇雄(イサ)について調べるため、地元八戸にむかった。どこにも居場所のなかった「荒くれ者」イサの孤独と悔しさに自身を重ね、さらに震災後の東北の悔しさをも身に乗り移らせた彼は、ついにイサとなって怒りを爆発させるのだった。第25回三島由紀夫賞候補作。(未來社HPより)
正直言って「イサ」と呼ばれる叔父の勇雄の荒くれっぷり(器物損壊、傷害、暴行)には「ないわー……」という感想なのだが、それでもぐいぐい読んでしまうのは私の東北人としてのDNAによるものなのか。