いーむの日記

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「盛岡でしたい10のこと」を考えた人に拍手を送りたい

ニューヨーク・タイムズ「2023年に行くべき52カ所」に選ばれた盛岡市

このニュースを聞いたとき、岩手在住の母は「なんで?」と言った。

そりゃそうだ。京都や東京や沖縄のような観光が確立されている街ではない。同じ東北なら仙台市の方が観光地としてメジャーだろう。
私は小学6年から高校3年まで盛岡市に住んでいた。そしていまは都内に勤務し、埼玉県に住んでいる。
トータルで見ると仙台市に住んでいた年数の方が長いのだが、中・高といった青春時代を過ごした街が盛岡市である。
ふるさとが恋しくなったら停車場に行くのは啄木先生だが、私は都内のアンテナショップに行く。
だいぶ前に銀座にある岩手県のアンテナショップ「いわて銀河プラザ」に行った。そのときに手にしたリーフレットに「盛岡でしたい10のこと」と書いてあった。

この1番を見るたびに泣いている

この1番を見たときに、思わず泣きそうになった。
10代の私にとって、盛岡は寒くて交通事情が悪くて不便な街だった。
深呼吸をしたくなる街というのがどれだけ得難いものなのか、離れて30年以上たって気づいた。
首都圏に移住して10年たっても、私はずっとアウェイで生きているような気持ちでいるのだ。

 

いつまでもアウェイのような気がします 海の見えない街に嫁いで

(いーむ)

大人になった今、私が一番したいことは盛岡でお酒を飲むことだ。
高校生までしか住んでいなかった私は家と学校の往復ばかりで、この街の良さを存分に味わい尽くせていなかった。
今度行ったら東京にいるときよりも歩く速度を落として、街のあちこちで立ち止まって深呼吸しよう。