いーむの日記

本とか映画とか音楽とかいろいろ

女子校文学・男子校文学 というジャンルで書店フェアやってほしい

私は公立の女子校出身である。夫は公立の男子校出身なのであるが、高校時代の話を聞くとかなり面白いのだ。曰く「授業中に床に板を置いて前後の席で将棋をやっているやつがいた」とか「廊下におにぎりが落ちていた」とか。

そういえば文学の世界にも女子校、男子校というジャンル分けができそうだな、と普段からぼんやり思っていたので、これについてちょっとまとめてみようと思う。

 

柚木麻子さんと三浦しをんさんは実際に女子校出身なので、女子校文学を選ぶのには外せない双璧。キリスト教系の中高一貫なので、私が通った公立の女子校とはかなりカラーは違うと思うが、それでも読んでいると懐かしい気分になる。

「グロテスク」「女子校文学ブラックバーション」という感じだろうか。全編の中で女子校が舞台になっているパートはそんなに多くはないはずなのに、強烈なインパクトを残す。

最後はイギリスの全寮制を舞台にしたおちゃめなふたごシリーズ。大好きで何度も読んだ。イギリス人女子から見たアメリカ人女子やフランス人女子の気質の違いなんかも面白い。それになんといっても真夜中のパーティー!こっそり見逃す院長先生や翌日ぐったりしている生徒たちをケアするおおらかな寮母先生もいい。(最近の版を見たら、イラストがいま流行りの萌え絵に。何故……。田村セツコさんのイラストが良かったのに……)

高校ではなく舞台は大学になるが、あしながおじさんなんかもこの系譜になるかもしれない。

 

「どくとるマンボウ青春記」は旧制松本高等学校が舞台。旧制高校なので現代の高校生とはちょっと違うが、内容が抜群に面白いのでピックアップ。卒業期に「おれは卒業するから、いまやおれとあんたとは対等なはずだ」と言う生徒に対し、「なに、まだ落第会議は済んでおらん。また四月に松高で会おうな」と返す先生など、ユーモアに満ちあふれている。

「モッキンポット師の後始末」カトリック学生寮の大学生を描いたものなので、こちらも高校生ではないのだが、貧乏であるがゆえの悪知恵の数々が笑えるので選んだ。本当は同じ作者の「青葉繁れる」のほうが男子校文学にふさわしいのであるが、女子学生への接し方がちょっと今の時代にはためらわれるレベルなので外した。(詳しくは「中古典のすすめ」を読むとわかると思う)

金城一紀さんのゾンビーズ・シリーズは上記の秀才たちとは真逆のいわゆる「オチコボレ」たちであるが、その暴れっぷりが楽しい。

おちゃめなふたご」シリーズと対比させる意味で全寮制ものは飛ぶ教室をピックアップ。

 

別学の面白さやメリットなどはまた後日改めて書いてみたいと思う