普段の生活でつい使ってしまう「ガラスの仮面」のあれこれ
我が家は日常の中でしょっちゅう「ガラスの仮面」に出てくるキーワードやセリフを使っている。
「ガラスの仮面」を最新刊まで読み切ってその後続刊がないため、こんな遊びをするしかなくなっているのだ。
- 「小銭いっぱい持ってるから!」
- 「コーラなんていやだっていったでしょ!」
- 「長居は不要と存じますので」(うろ覚え)
- 「辛いと思わなかったものですから」
- 「今なら…演れそう…私だけのベスが…!あたし平気よ、ジョー」
- その他、ガラスの仮面の影響を受けていること、気になっていること
「小銭いっぱい持ってるから!」
ガラかめファンならおなじみ・間 進くんの名台詞である。「恋をする」感情がどんなものかを知るための姫川亜弓の役作りのために捨て駒になった間くんではあるが、本当に健気でいい子だったのできっと幸せになっていると思う。昨今は彼もキャッシュレスに対応できているだろうか。
「コーラなんていやだっていったでしょ!」
こちらもおなじみ・乙部のりえの名台詞。初の主演舞台の本番前に「わたしは牛乳をもってきてって頼んだのよ!」と叫びコーラを持ってきたスタッフの女の子にコップを投げつけている。ひどい振る舞いである。マネージャーらしき人に「もうやめたまえ。さっきから6杯目だ」と諌められているが、直前に牛乳6杯飲んで舞台になど立てるのだろうか。
しかし、このスタッフの子も牛乳を頼まれてコーラを持ってくるってセンスはいただけないな。ただ昭和だからなぁ。ペットボトル飲料なんかないしな。
もう1点気になっていることがある。舞台の上で姫川亜弓に実力の差を完膚なきまでに思い知らされる乙部のりえであるが、その際「主役をとってかわられた」と言っているのだ。しかしこの舞台のタイトル「吸血鬼カーミラ」なので、当初からカーミラ=亜弓が主役なのでは??
「長居は不要と存じますので」(うろ覚え)
ヘレン・ケラーの座をかけたオーディションで惜しくも敗れ、審査員に「いつかなにかの形で使ってみたい少女だ」と言われたのに、その後一切出てこない不遇の一ツ星学園演劇部のエース・金谷さん。しかし最終審査で敗れたあとに上記の言葉で一礼して去っていく後ろ姿は強烈なインパクトだった。誇り高いよね。かっこいい。
「辛いと思わなかったものですから」
これは汎用性が高い言葉。何でも辛いものをたべて驚いたときに使える。同じく「ヘレン・ケラー」のオーディション時に姫川亜弓が天才のセンスを見せつけた一言。
「今なら…演れそう…私だけのベスが…!あたし平気よ、ジョー」
「若草物語」のベス役を演じるにあたり、猩紅熱にかかったベスの気持ちをつかむために一晩中雨に打たれた北島マヤが高熱にうなされながら口走ったセリフ。これは高熱が出たらいつでも使える。
しかし、北島マヤの演技に対するアプローチが長年変わっていないのが気になる。人生経験が少ない少女の頃はそれで良いかと思うが、成人になってからまだそんなことしていていいのだろうか。
ベスを演じるために自ら風邪をひいたり狼少女になるために四つん這いで生活したり、という『役柄をつかむために実際にその体験をしてみる』というメソッドには限界があるのではないだろうか。この理論でいくとそれこそ犯罪者役などできなくなるのではないか。
その他、ガラスの仮面の影響を受けていること、気になっていること
- ラフマニノフと聞くと「亜弓さんがコンクールで優勝した曲」と思う
- 『出てきただけで舞台の空気が変わる』ことが名優だと思っている
- シリアスドラマをコメディに変換できるのが名演出家だと思っている
- みかんを複数個見るとお手玉をしたくなる
- 自分の舞台初日なのに話題をかっさらわれた円城寺まどかさんがとにかく可哀想
- お嬢様育ちの亜弓さんが料理できるのはまあいいとして、かなり早くに親元を離れたマヤが何もできないのは納得いかない。家事全般できてないといかんだろう
- 夏休みに学校の図書室で「練習もしないで金谷さん何をやってるのかしら……」と言っている一ツ星学園の生徒たち。よく見るんだ。金谷さんの目の前にはヘレン関連の書籍が山積みになっているだろう。しかしオーディションで敗れたあと、金谷さんは「ヘレンの気持ちだけが計算外だった……!」って言ってるんだけど、いやそこを掴もうとしていたんと違うんかい
などなど挙げていけばきりがないのだが、いま手元にコミックスがないのにここまで覚えているのはやはり名作の証拠だろう。
私はかつて「甲子園での東北代表校が優勝するのが先か『ガラスの仮面』が完結するのが先か」と思っていたが、甲子園の方は一昨年、仙台育英の優勝で達成された。
あとは「ガラスの仮面」の完結を待つだけだ。さてどうなるのか。