私にとって映画とドラマの「永久欠番」であるこの2作品から忘れがたいセリフをピックアップしてみる。
アポロ13
「ヒューストン、トラブルが発生した」(Houston, we have a problem.)
実在の宇宙飛行士・ジム・ラヴェルを描いた「アポロ13」でドラマを大きく転換させるこの一言。ちなみに『アメリカ映画協会が選んだ名セリフ100』の50位にも選ばれている。
「失敗という選択肢はない」(Failure is not an option.)
トラブルが発生してからNASAはなんとかしてアポロ13を地球に戻そうと懸命の努力を続ける。中でも主席管制官のジーン(エド・ハリス)は、常に冷静に、いまできることを確実に行うことをスタッフに呼びかける。
月に行くための計画で動いてきたスタッフたちがなかなか頭を切り替えられない中「月着陸はなくなった。今からは地球に戻すことだけを考えろ」と告げる。その中で「自分の担当するミッションで死人は出さない」と断言し、上記のセリフで締める。私の大好きなエド・ハリスが最高なのでぜひ見てほしい。
「たとえ洗濯機で飛んでいても、あの子なら着陸させるわ」
ジムの妻・マリリンが子どもたちをつれて、施設にいるジムの母に会いに行くシーン。アポロ13号の事故をマリリンが告げているうちに、ジムの娘は泣き出してしまう。そんな中、母・ブランチが孫娘に言うセリフ。絶大な母の信頼を感じさせる隠れた名セリフだと思う。
ER緊急救命室
「あのひとが死ぬのを見に家に帰るの!?」「……そうだ」
夫・マークととあることから別居状態のエリザベス。そんな中、マークの脳腫瘍再発が判明。病棟でひっそりと泣き崩れるエリザベスが「私、どうしたらいいの!?」と上司であるロマノに問いかけるシーン。
死ぬのを見に帰ることなどできない、というエリザベスに「君の夫だろう」と諭すロマノ。「愛してるのか?」「……愛してる」というやりとりで自分の妻としてのマークへの愛情を再認識したエリザベス。
このシーン本当に好きだ。エリザベス役の榊原良子さんとロマノ役の内田直哉さんの素晴らしい演技。
「なんでもするぞ」「祈って」
上記の続き。ハワイで残り少ない人生を過ごすマークに会いに「休暇をください」と申し出たエリザベス。「聞こえんな」と一旦はスルーしたものの、マークの容態を聞くと「いってやれ」と送り出すロマノ。
礼を言い立ち去るエリザベスの背中に向かってロマノが告げたのが上記のセリフ。振り返ったエリザベスにただ一言「祈って」と言われロマノは「私の得意の手技じゃないが、特別にやってみよう」と言って送り出す。
これも本当に忘れがたいシーン。アメリカのドラマってとかく感情を全部ぶつけ合う印象が強いのだけど、上記2つのシーンは多くを語らない、大人同士の心の通い合いが見られる名シーンだと思う。
番外編:大脱走
「グッドラック」「サンキュー」
多くは語るまい。これも紛うことなき忘れられないセリフ。