歴代のアカデミー賞の各部門のノミネートを見ていると、賞を逃した作品や人に対して「これはノミネートされた年が悪かった」と思わざるを得ないときがある。個人的に「これは惜しかった」と思うものをまとめてみようと思う。
※未見の作品もあり。あくまでも個人の独断。実際の興行収入や評価などは加味しない。
作品賞
市民ケーン 1941年(第14回)
えー!受賞してなかったの!?と思う人が多数いると思う。この年の受賞作は「わが谷は緑なりき」この作品も監督がジョン・フォードだし駄作ということはないのだろうが、名作といえば必ず名前のあがる「市民ケーン」に比べたらどうしても印象が薄い。「市民ケーン」はモデルとなったハーストによって上映妨害運動が展開されたそうなので、それが原因らしい。
ショーシャンクの空に 1994年(第67回)
これはしょうがない度合いが高い。「フォレスト・ガンプ」の年だった。ちなみに「パルプ・フィクション」も候補に挙がっている粒ぞろいの年。(「パルプ・フィクション」はカンヌでパルム・ドール受賞)
アポロ13 1995年(第68回)
個人的な「悔しいで賞」No.1。この年の作品賞は「ブレイブハート」。アカデミーって宇宙ものは作品賞獲りにくいんだよなぁ。「ライトスタッフ」しかり「E.T.」しかり「ゼロ・グラビティ」しかり。どうしても史劇に負けがちな印象。(「E.T.」も「ガンジー」に負けたし)
プライベート・ライアン 1998年(第71回)
これが「恋におちたシェイクスピア」に負けたとは……。ワインスタイン恐るべし。
※このあたりが参考になりました。
主演女優賞
ケイト・ブランシェット「エリザベス」1998年(第71回)
受賞したグウィネス・パルトロー(「恋におちたシェイクスピア」)がどうだというわけではなく、単純にこの演技で獲ってほしかったなぁという願望。しかし、その後のキャリアではケイト・ブランシェットの圧勝。ブランシェットがオスカーノミネートの常連となり、助演と主演で2度の受賞に輝いた文句なしの名優になったのに比べて、パルトローはこの受賞1回のみで、その後はノミネートにも挙がらず。俳優というよりお騒がせセレブになってるし。
番外編:エド・ハリス
とにかくこの人について書きたかった。エド・ハリスの過去のオスカーノミネートは下記の通り。
第75回 (2003年)助演男優賞ノミネート「めぐりあう時間たち」
第73回 (2001年)主演男優賞ノミネート「ポロック 2人だけのアトリエ」
第71回 (1999年)助演男優賞ノミネート「トゥルーマン・ショー」→受賞はジェームズ・コバーン(「白い刻印」)
第68回 アカデミー賞(1996年)助演男優賞「アポロ13」→受賞はケビン・スペイシー(「ユージュアル・サスペクツ」)
これ、特に68回と73回が不運だったよなぁ……。私は「アポロ13」でのエド・ハリスが受賞すべきだったと思うし、他の年なら絶対獲ってたでしょう。ただただこの年の「ユージュアル・サスペクツ」のインパクトが惜しい。
エド・ハリスももう74歳なので、このままいくといつか「名誉賞」ということになってしまいそうだがそれは困る。ぜひとも演技者として受賞してほしい。
余談になるが、同じ宇宙をテーマにした「ライトスタッフ」でジョン・グレンを演じたときのエド・ハリスも良かったなぁ。主演より助演で輝く俳優だと思う。