いーむの日記

本とか映画とか音楽とかいろいろ

田辺聖子の小説の配役を妄想する

田辺聖子の小説が好きだ。

映像化された作品では「ジョゼと虎と魚たち」 (角川文庫)が有名だろう。(私自身は、他に収められた作品の方が好みなのだが)

ただ、「ジョゼ・・・」以外の映像作品は聞いたことがない。私はずーっと前から「この小説を映像化するならこの人にこの役をやってほしい!」という願望(妄想)があるので、それをつらつら書いておこうと思う。

 

お目にかかれて満足です

恋に仕事に結婚に心豊かに打ち込む女の物語。
神戸山手の古い異人館に住む料理と手芸が大好きな主婦るみ子32歳。自宅にアトリエを開き、小物や洋裁の創作に夢中になる一方で、夫・洋の弟にときめきを覚える。そんな妻を、洋は複雑な気持ちで見守る…。(Amazon

この主人公・るみ子の夫の洋が、るみ子が主婦業から仕事を始めて軌道にのってくると構ってもらえないことで不機嫌になる、というまあちょっと子供っぽい男性なのだが、私の脳内ではずーっと植草克秀で変換されている。ただし、私は彼の出演しているドラマはまったく見たことがないので、あくまでも「カッちゃん」と呼ばれている頃の彼をイメージしている。ただ現在の彼ではちょっと大人になりすぎたなぁ。30代の頃だったら本当にぴったりだったと思うんだけど。

そしてるみ子が心惹かれる洋の弟・舷には斎藤工というところまで妄想している。ちょっと謎めいていて独立していて「平和な日常生活にさざ波を立てる男性」に合っていると思う。ただ肝心のるみ子は全然浮かばないんだよなぁ。

 

恋にあっぷあっぷ

夫と恋人とパトロンを持つ贅沢を知った女心
アキラは結婚5年目にしてブティックに勤め出した。店を訪れた紳士に人生への深い洞察と優しさを感じ…。“妻”である女の揺れ動く心とその成長を描く大人の恋愛小説。(Amazon

この主人公・アキラ(女性)が恋に落ちるお金持ちの男性・鷹野氏はぜひ村田雄浩に演じてもらいたい。鷹野氏は容姿は「海亀」みたいだと評されているのだが、仕事で成功しているお金持ちで紳士であり優しくて余裕がありセクシー、という男性。これは第一条件としてまず身体が大きいことが絶対条件。その点村田氏は180センチなので文句なし。深みのある声も外せない。つるりとした細身美形の若手では出せない色気をぜひ見たい。

 

蝶花嬉遊図

売れっ子脚本家という立場を捨て、おしゃれを捨て、50代の妻子ある男、レオとの恋愛を選んだ33歳のモリ。ただレオがいて、楽しくおしゃべりして、美味しくご飯を食べる。3年続いているそんな生活が「幸福の極限」だった。幸せの絶頂は、永遠に続くのか。人生の本質を教えてくれる、恋愛小説。(Amazon

この「50代の妻子ある男、レオ」これはもう國村隼しか考えられない。田辺聖子國村隼という図式は言うまでもなく「芋たこなんきん」によるものなのだけど、田辺作品によく出てくる「妻子あり、おいしい食事と酒と楽しいおしゃべりが大好きな中年男性(関西弁を話す)」はもう全部國村隼でいいんじゃないかとまで思う。やっぱり田辺作品は関西弁ネイティブの俳優がいいな。

 

余談:「大人のドラマ」が見たい

最近とみに思うのが「しっとりとした大人のドラマが見たい」ということ。昭和の頃にやっていた向田邦子原作のドラマのイメージ。大人しか出てこない(30代以上)ドラマが見たい。あまり喋りすぎず余白や余韻があり登場人物がわめかない、CMみたいな喋り方をしない、そんなドラマって見られないんだろうか。

以前、Amazonプライム山田詠美原作の「A2Z」がドラマ化されており、原作を読んだことがあったので見てみたのだが、まあちょっと見るに耐えなかった。まず老舗出版社(新潮社あたりをイメージ)の文芸編集者に深田恭子ってことはないだろう。主人公の親友・今日子も原作では確か大学教授だったはずだがドラマでは「民俗学講師」にされていてそれはまあいいとしても、服装がまるで古着屋の店員みたいな格好をしている。あれは未だに納得いかない。「その仕事をしている人らしさ」というものがまるでなく、嘘くさいのだ。

 

先日BBCのドラマ「ザ・スプリット 離婚弁護士」を見て思ったのだが、「主人公がちゃんと仕事してる大人」というのがとても良かった。仕事をしている上で恋愛も描いており、ちゃんと説得力があった。こういうドラマをもっと見たい。(この作品については別の機会に書きたい)

 

第1話

第1話

  • ニコラ・ウォーカー
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